労働基準法の改正ポイント (平成1611日施行)

 1.解雇(第18条の2

解雇に関する基本的なルールを明確にする必要から、裁判例で確立している解雇権濫用法理である「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」ことが新しく法律に明記されました。

 2.就業規則への「解雇の事由」の記載(第89条第3号)

就業規則に、「退職に関する事項」として「解雇の事由」を記載する必要があることが、法律上明確にされました。既に作成している就業規則に、「退職に関する事項」として「解雇の事由」の記載がない場合は、「解雇の事由」を記載したうえで、改めて、労働基準監督署へ届け出なければなりません。

 3.労働契約締結時における「解雇の事由」の明示(第15条)

労働契約の締結に際し、使用者は「解雇の事由」を書面の交付により労働者に明示しなければならないことが明確にされました。

 4.解雇理由の明示(22条第2項)

解雇をめぐるトラブルを未然に防止し、その迅速な解決を図るために、これまでの退職時証明にくわえて、労働者は、解雇の予告をされた日から退職の日までの間においても、解雇の理由についての証明書を請求できることとされました。

ただし、使用者は、解雇の予告がされた日以後に労働者がその解雇以外の事由によって退職した場合は、この証明書を交付する義務はありません。